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人工軽量骨材について

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収縮低減材としての人工軽量細骨材の効果

はじめに
  国内で生コンに使用されている人工軽量骨材は、ポンプ圧送されることを前提に製造されているため、骨材内部気泡内のほとんどが、水で満たされている。人工軽量骨材を用いたコンクリートでは、この水が、コンクリートの自己収縮を抑制することが、明らかとなっている。しかしながら、これまでの研究の多くは粗骨材を用いていることから、高強度コンクリートの領域では、強度が頭打ち傾向となる。
本研究では強度低下を最小限としつつ、自己収縮を抑制するための材料として、人工軽量細骨材を用いた、高強度コンクリートの収縮性状について検討を行った。

使用材料
  表1に使用材料を示す。

表1 使用材料
種類 記号 物性
セメント C シリカフューム入り高炉セメント、密度2.99g/cm3(W/C20%)
普通ポルトランドセメント、密度3.16g/cm3(W/C35%)
細骨材 SN 大井川水系陸砂、表乾密度2.59g/cm3、吸水率1.97%、FM2.72
SL 膨張性頁岩系人工軽量細骨材、絶乾密度1.68g/cm3、表乾密度1.92g/cm3、吸水率14.0%、FM2.74
粗骨材 G 青梅産硬質砂岩砕石、表乾密度2.65g/cm3、吸水率0.60%、FM6.69
混和剤 Ad1 高性能AE減水剤
Ad2 消泡剤

配合
  表2に配合を示す。水セメント比20%の目標スランプフローは65±5cm、水セメント比35%の目標スランプは18±2.5cm、空気量は1〜3%となるように混和剤で調整した。

表2 配合
W/C
(%)
軽量砂置換率 細骨材率
(%)
単位量(kg/m3 圧縮強度(N/mm2
W C SN SL G 7d 28d
20.0 0% 38.4 160 800 549 0 901 94.0 110
50% 275 204 87.5 98.7
100% 0 407 84.8 97.8
35.0 0% 45.0 160 457 784 0 987 67.2 82.3
50% 392 287 61.1 74.0
100% 0 575 50.8 66.7
*)圧縮強度は標準養生

試験方法
  試験は日本コンクリート工学協会の「超流動コンクリート研究委員会報告書(II)」付録1「(仮称)高流動コンクリートの自己収縮試験方法」に準じて、打設直後からのひずみを測定した。供試体は中央部に埋込み型ひずみ計を埋設した10×10×40cmの角柱供試体とした。型枠内部にテフロンシートを敷き、自己収縮試験は脱型後、乾燥を防ぐため表面をアルミ箔粘着シートで封緘し、さらにビニール袋に入れて20℃の恒温状態で養生した。乾燥収縮試験は、脱型後、封緘せず気中養生(相対湿度 60%RH)とした。

結果
  グラフ
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